自分は2019年に転職し、現在はとあるユニコーン 企業のDevRelとして活動しています。
DevRelの活動を可視化するにあたって、いろいろな図や数値を評価し、社内に共有しています。
今回の記事では
について記述します。
]]> コミュニティ・エコシステムの4層モデル開発者コミュニティを広げるための施策立案のため、いろいろな施策を行なっています。そのためには、「この施策の目的は何か」「どういったペルソナに対して施策を行うのか」を言語化して説明する必要があります。
自分は、開発者コミュニティはおおよそ4層程度のペルソナに分かれると考えています。
それが、以下の図。
このファネルでは、コミュニティ・エコシステムに参加するペルソナを4層に分けて理解しようと試みています。
「参加者・一般開発者」は、サービスに対して何の情報やバイアスもない状態です。サービス・技術を知ることで、自社・自分のビジネスにつなげるため、情報を集めている人、というイメージです。
「フォロワー」は、サービスに対して興味を持ち始めた人たちです。サービスや技術そのものに興味を持ち、より強い関心を持って情報を集め、ネットワークに加わり始めている状態にあります。サービス・技術の勉強会に何度も参加し始めている状態です。
「協力者」は、参加するだけでなく、主体的に情報を発信している状態です。情報を発信する人には、より多くの情報が集まり、ビジネスチャンスが生まれます。情報発信に積極的に力を入れている状態です。
「リーダー」は、コミュニティそのものを牽引するような、強力な推進力を持った人たちです。自発的に勉強会やイベントを企画し、自分のためだけでなく、利他的に振る舞います。その行動は、より多くの人を惹きつけ、サービス・技術・プラットフォームに人を巻き込んでくれます。その結果、サービス・技術が栄え、よりビジネスチャンスが広がり、結果的にリーダーに対するメリットが生まれます。大きな視点で利害を共有している状態と言えます。
開発者のエコシステム・コミュニティを考える場合、裾野をいかに広げてファネル自体を大きくするかが大事になってきます。そして、DevRel担当者は、「この施策は参加者を増やすための施策」「この施策は、フォロワーを増やすための施策」と、明確にターゲットを設定できるようになり、KRの測定がしやすくなります。
自分はこのモデルを使って、どんなエコシステムを作っていきたいかを、社内にネゴシエーションしています。
ここからはプラスアルファのお話し。
つい先日、GitHubで同じようなことを書いているレポジトリを見つけました。
このモデルでは、惑星の衛星軌道をもとに、エコシステム・コミュニティを4層に分けて捉えようとしていました。DevRel仲間に聞くと、どうやらこのモデルの作者は、欧州のDevRel担当者のようです。
モデル図こそ違いますが、ほぼ同じような概念でコミュニティを捉えようとしていて
「やっていることが同じだと、洋の東西を問わず、同じような思考を辿るんだな」
と、なんだか不思議な感覚を覚えました。
エコシステム・コミュニティに対するアクションモデルは他にもいくつか作成したのですが、これ以上は企業戦略そのものに触れかねないので、今日はここまで。いつか、機会があったらご紹介します。
]]>前項では、コミュニティデザインの実際の実行フェーズについて記述しました。 今回は、コミュニティサポート担当者 (DevRel担当者、コミュニティマネージャーなど) が気をつけたい項目について記述します。
]]> 注意点コミュニティを運営・サポートしている皆様は、きっとそれぞれに独自のルールや規律を作って、日々業務にあたっていると思います。
ここでは、自分自身が日頃気をつけている点について、列記してみます。
コミュニティの世界は、すべてがフラットな世界です。大企業に所属する人・決済権があり大きな金額を動かせる人も、学生さんも関係ありません。老若男女問わず、階層がない世界です。
そんなコミュニティの世界では、純粋に「人として互いを尊重し合えるか」ことが大事です。
たとえ社会的な肩書がどうであれ、コミュニティの世界では通用しません。逆に、運営者・サポート担当者が、社会的なステータスによって扱いを変えたり、優遇することはあってはならないことです。
参加者に優劣・階層を作ると、そこからコミュニティは崩壊していきます。
ある一つのテーマについてコミュニティを形作り、集まっていると、どうしても話題がマニアックかつ先鋭化していきます。
この状態は、言葉を変えると「コミュニティが成熟している」ということもできるでしょう。
一方で、「コミュニティに興味があるけど、参加しようかどうか迷っている」という人たちにとっては、入りづらく、マニアックな集団に見えることがあります。
コミュニティが先鋭化していくと、参加する人たちはいつも同じ顔ぶれとなり、やがて少しずつ参加者が減っていき,緩やかに衰退に向かいます。
コミュニティを運営・サポートする人は、常に新規参加者が入りやすく、フレンドリーな雰囲気を作ることに気を使う必要があります。
前出の項目と相反する話になりますが、関係を形作る相手を間違えると、コミュニティに混乱が生まれることがあります。
コミュニティに参加する理由はさまざまですが、中には
など、コミュニティという場に対して敬意を払わず、コミュニティから情報と人脈だけを抜き取って、自分のメリットのためだけに参加する人もいます。
コミュニティの参加者は、それぞれ自分自身に対するメリットを感じて参加しています。それらを否定してはいけません。
一方で、「サークルクラッシャー」のような人たちとコミュニティを形作ると、ほどなくコミュニティ内に混乱が生まれることは想像に難くありません。
互いに敬意を払いあえる人。ビジネスの前に人間関係を大事にできる人。そして互いの話に耳を傾けあえる、コミュニケーションが取れる人たちを大事にすることで、活力のあるコミュニティを一緒に作っていけることでしょう。
コミュニティの運営者、サポート担当者の立場になると、沢山の人達と繋がりができ、情報が集まってきます。場合によっては、参加者からスターのような扱いを受ける場合もあるかもしれません。
そんな場面で、運営者・サポート担当者がスターのように振る舞うことは、コミュニティが崩壊する第一歩です。気を引き締めて、「自分は裏方である」と意識し直し、動かなければなりません。
コミュニティ運営者、サポート担当者は、ちやほやされるべき存在ではありません。 コミュニティの主役は、参加者一人一人であり、その場にいる全員、そして「場」そのものが主役なのです。
中国の故事に 「鼓腹撃壌」(鼓腹撃壌) という言葉があります。
古代中国の帝、堯(ぎょう)は、自分をちやほやする声を聴くとかえって心配になり、逆に「帝がいなくても平和に暮らしていける」という老人の歌を聞いて、ようやくホッとしたといいます。
コミュニティの運営者・サポート担当者は、「自分がいなくても、コミュニティの参加者が自由に、楽しく活動でき、場そのものが広がっていく」ことを、誰よりも喜ぶべきでしょう。
上記と絡みますが、コミュニティの運営者・サポート担当者は、さまざまな情報・人脈の中心点となることが多くなります。そんなときに、情報や人脈を独占せずに、積極的にコミュニティ参加者への還元を行うことが大事です。
別な言葉で言うと「○○さんがいないと、話が進まない」ではなく「○○さんがいなくでも、コミュニティが回る」状態が、コミュニティがうまく回っている状態である、とも言い換えることができます。
特に、企業の担当者としてコミュニティの担当を行う場合、企業のリソース(お金、時間)を使って人々と交流することが多くなります。そこで得られた人脈・情報は、企業、そしてコミュニティの参加者へ還元すべきです。
ベンチャー企業や外資系企業で、自分が所属する企業のお金を使ってパーティを開き人脈を構築し、その人脈や情報を持ったまま退職して、別な企業に人脈・情報ごと持っていくケースを何回か見たことがあります。個人的には、人と人とのつながりが大事な「コミュニティ」という場で、その行動はどうだろう、と思うことがあります。
コミュニティで得られた人脈や情報は、積極的にコミュニティという場に還元すべきでしょう。
以上、自分が日ごろ気をつけていることを中心に記述しました。
コミュニティ運営者・サポート担当者のみなさんが、円滑に、活力あるコミュニティを形作っていけるよう、応援しています。
]]>前項では、コミュニティデザインの最初の計画について記述しました。 今回は、計画に基づく実行フェーズについて記述します。
先だって、「コミュニティの形」を考える過程を記述しました。どのようなコミュニティを形作っていくか、具体的に見えてきたら、次は実行フェーズとなります。
企業の立場からコミュニティを運営する・コミュニティをサポートする場合、内部に協力者・理解者を作っておきましょう。
コミュニティ活動・コミュニティサポートに対して理解がない企業の場合、業務時間を利用してコミュニティ活動を示すことに難色を示す企業もあるかもしれません。状況によっては、一人で活動せざるをえないこともあるでしょう。
それでも、内部に理解者、協力者を作っておくことは大事です。主に以下の理由によります。
コミュニティは人が集まって形作られるものです。人と人とのコミュニケーションは、リアルなものです。そこには、必ず相性が存在します。 コミュニティのサポート担当者が一人しかいない場合、人間関係に悩むことも出てくることでしょう。そんなときに、窓口を変えることができる仲間がいることは、心理的な助けとなります。
もしコミュニティの運営・サポートが認められたとき、仲間がいるかいないかは、大きな違いとなります。一人より二人、二人より三人、仲間がいたほうが、作業分担ができ、一人だけのときよりも2倍、4倍、6倍とできることが広がります。
体制ができたら、6つのサイクルでコミュニティを盛り上げていきましょう。
最初の「見つける」は、仲間を「見つける」ことを指します。事前の準備で、誰と、どんなコミュニティを形作るかを考えました。実際に、一緒にコミュニティを作っていきたい人たちに声をかけ、仲間を見つけることが最初のステップとなります。
次に「接する」。接し方にはいろいろな形があります。
一番軽い接触は「挨拶」でしょう。とくに話題がなくても、挨拶なら気軽に交わすことができます。人間関係の基本は、挨拶と言われるとおり、すべてのコミュニケーションの基本ですね。
次に、意見交換をする。お互いが何を考えているか、どのような思いを持っているかを伝え合います。コミュニティのキーワードに対して、思い入れが強い人は、その発信力も強いことでしょう。
一方で、コミュニティではどうしても起こってしまう「言葉のすれ違い」という問題があります。このすれ違いに「対応する」のが、スムーズなコミュニティ運営にとって、とても重要な事です。
そして、「共有する」。共有にも、いろいろな形があります。
オンラインで発言しあうことは、視点を変えると 「お互いの情報を共有しあっている」 状態です。情報を共有することは、相互理解につながります。
さらに、実際に 「会ってみる」。あうことは、つまり 「お互いの存在場所を共有している」 状態です。場所を共有すると、互いの存在をより強く意識することができます。
情報を交わし合い、場所を共有すると、お互いの時間が重なっていきます。すなわち 「時間」 の共有です。時間を共有することで、コミュニティの結びつきはより強くなっていきます。
お互いの理解が進み、結びつきが深まると、次のステップ 「ともにつくる」 に進むことができます。 「つくるもの」 は、いろいろな形があります。勉強会かも知れません。飲み会の企画かもしれません。あるいは、大規模な創作活動かもしれません。いずれにせよ、「ともにつくる」 ことで、コミュニティという目に見えない人々の集合は、その 「形」 を表します。 「つくり、あらわす」 ことで、互いの絆はより深まります。
そして、コミュニティを 「広げる」。もし、何かを 「つくる」 行為が楽しく、有意義なものだったら、それを人に伝えたくなるのは自然なことです。自分の活動や仲間を人に伝え、さらに仲間を広げていく。仲間を広げることは、コミュニティの活性化において、欠かせない要素の一つです。
最後に 「続ける」。続けることは、実は一番大変です。一時的な情熱で何かを成し遂げることは、案外できるものですが、継続にはより多くの情熱やパワーが必要になります。逆に言うと、ある程度の期間において 「続ける」 ことができると、そのコミュニティはますます豊かに、広がりを持つことでしょう。
多かれ少なかれ、コミュニティは上記のプロセスを繰り返すことで、盛り上がり、より実りが多いものになるのだと考えています。コミュニティの運営に悩んでいる場合、上記のプロセスをどのように実現するか、実際に当てはめていくと、解決策が見えてくるかもしれません。
上記の6つのステップを、どのように実行していくかを考え、実行していきます。最初は大きなイベントである必要はありません。会議室や喫茶店、あるいは居酒屋に集まって、ワイワイと語り合うだけでも、コミュニティの盛り上げにとっては大事な活動です。声が届く範囲の人と、6つのサイクルを実行していき、徐々に仲間を増やしていきましょう。人を引き寄せるのは、やはり「人」です。楽しそうにコミュニティ活動を行っている人の周りには、きっとさまざまな人が自然に集まってくることでしょう。
企業活動としてコミュニティ運営・コミュニティサポートを行っていくと、KPIを求められる場面があります。これは、具体的な「正解」と言うものがない世界です。ある企業は、インターネット上の情報の露出度合いをKPIにしていると言っていました。コミュニティ活動に触れるブログ記事が何本公開されたか、ツイートが何個発言されたか、などの数字をKPIにするものです。
あるコミュニティは、イベントの参加者の人数を。 あるコミュニティは、ユーザーグループのグループ数を。 あるコミュニティは、「具体的なKPIは設定していない」と言っていました。確かに効果はある、ポジティブなフィードバックはある、しかし具体的な筋目標は建てられないとのことで、KPIを一時棚置きして、まずはコミュニティ自体を盛り上げ、参加者を増やすことを目標としたそうです。
このように、KPIの設定方法はいくつもあるので、自分の立ち位置・環境に合わせて考えるのが良いでしょう。
先述しましたが、コミュニティ活動・コミュニティサポートに対して理解がない企業の場合、業務時間を利用してコミュニティ活動を示すことに難色を示す企業もあるかもしれません。状況によっては、一人で活動せざるをえないこともあるでしょう。
そのような場合は、「まず、行動する」ことで道が開けることがあります。
筆者も、最初は企業として施策として活動したわけではなく、個人的に知人やクライアント、代理店・制作会社などと私的に集まり勉強会を開いておりました。やがてその活動が、所属する企業に認知されて、事業の施策の一環として、コミュニティサポートを正式に仕事して行うようになったという経緯があります。
仕事として動きづらい場合は、まず個人的に動いてみるのも大事なことだと考えています。
]]>昨日は「コミュニティ」、そして「コミュニティデザイン」について考えてみました。 今回は、実際にコミュニティマーケティングを行い、ユーザーコミュニティをサポートするための準備として考えたことをまとめてみます。
コミュニティを形作り、盛り上げていきたいと考えたとき、誰と形作っていくかは大事なことです。 プロダクト・サービスにあまり関心がない人を集めても、場の活力は生まれにくいでしょうし、継続的に連絡を取り合える仲間として活動できるか、分かりません。
コミュニティプランを考える上で、最初に大事なことは「どんなコミュニティを作り、盛り上げていきたいか」と言えるでしょう。 そのための具体的な方策を幾つか列挙してみます。
ビジネスプロダクト・サービスのコミュニティを支える場合、まず最初に、プロダクト・サービスのメリット・哲学を整理する必要があります。 極論すると、よほど先進的、独創的でない限り、すべてのビジネスプロダクト・サービスには類似品があります。
プロダクトやサービスを使う人は、いろいろなメリットを考慮して、自分が使うプロダクトやサービスを選びます。しかし、えらぶ側から見れば、より良い・より楽しいユーザーコミュニティが存在するサービスがあれば、選定の重要なポイントとなることでしょう。
誰と、どんなコミュニティを作るかを考えるためには、最初に
を整理する必要があります。
プロダクト・サービスをえらぶ側からすれば、機能的な大差がない場合、これらのメリット・哲学は「なぜ、選ぶのか」の重要な理由となります。プロダクト・サービスが発する「哲学」に共鳴してくれる方が集まる可能性が高くなります。
この作業は、別な言葉で言うと「プロダクト・サービスのブランドとは何か」と言い換えることもできます。
プロタクト・サービスのメリット・哲学を整理したら、次は「誰がそのプロタクト・サービスを利用してくれるのか」を考えます。 これはすなわち、コミュニティの想定参加者、と言い換えることができます。
この過程で大事なことは、「金銭的なメリットの大小は一度無視する」ということです。
ビジネス活動においては、取引額・購入額が大きなビジネスパートナーという存在があり、その存在感は企業にとって、無視できません。
一方で、ユーザーコミュニティは、取引額の大小で決まるものではありません。そのプロダクト・サービスに共感してくれているかどうか、の方が大事だったりします。
ビジネス的にメリットの大きなパートナーと、コミュニティを形作るパートナーは、別のものとして整理した方が良いでしょう。
想定参加者を思い描いたら、次は、コミュニティに参加することで得られるメリットを整理します。
参加者はもちろん、プロダクト・サービスを提供するコミュニティサポート側も整理しておく必要があります。
コミュニティを運営・サポートしていると、「コミュニティ活動に参加することがしんどくなってきた」「自分は何のためにコミュニティに参加しているんだっけ」「このコミュニティ活動は、自社のメリットになっているのか」など、運営の迷路に迷い込むことがあります。
主催する側、支える側、参加する側、それぞれのメリットを整理しておくと、コミュニティサポートが壁にぶつかったとき、原点に立ち返って道筋を示してくれます。
メリットが整理できたら、実際のコミュニティ運営・コミュニティサポートに入る前に、「コミュミニティに参加する人たちが幸せで、良い状態とは何か」を考えます。「理想の状態」は、出来る限り大風呂敷を広げましょう。参加者みんながハッピーで、参加することで交流の輪が広がり、メリットを享受し、異性にはモテモテで、身長が伸び、彼氏・彼女ができ...などなど。現実できなくてもかまいません。
ここで描いたり想像は、いわば「どんなコミュニティを形作っていくか」の、設計図のような役割を果たします。
できれば、図に書いたり、文章に落としたりして、コミュニティに参加する誰もが共有できるような形にしておくと、尚良いでしょう。
2010年に、日本代表のサッカーチームをベスト16に導いた岡田監督は「目標がすべてを決める」と語り、当時の日本代表のメンバーに「ベスト4を目指す。そのためどうすればよいか」を、選手一人一人に問うていったそうです。ベスト4という目標を掲げることで、チームはどんどんレベルが上っていったといいます。
高い理想を目標とすることで、コミュニティ全体の雰囲気は変わっていくことでしょう。
コミュニティの理想の状態を形にしたら、具体的にどのように実現するか、具体的な方法を考えます。 ここで大事なことは「一足飛びに実現しようとしない」ということです。
理想と現実がかけ離れていると、なかなか理想的な状態にならないことで、焦りが生まれるかもしれません。せっかく楽しいコミュニティを作ろうとしているときに、運営者側・サポート側が焦ってイライラしている状態だと、集まってくる人たちも楽しくないことでしょう。
夢は大きく、足元はしっかりとみて、一歩一歩進めていきましょう。
]]>数回に分けて、「コミュニティデザイン」のプランと実践、と題して、ビジネスコミュニティ・コミュニティマーケティングに関する記事を書いていきます。
自分は数年に渡って、属する企業のサービス・プロダクトのユーザーコミュニティの立ち上げや支援に携わってきました。 この数年の仕事を棚卸しする意味で、これまで考えたことや、経験したことを体系的にまとめておこうと考えました。
ビジネスプロダクト・もしくはサービスを展開している企業のコミュニティ担当者への知識・情報共有。 コミュニティマーケティングの手法を使って、利用者・導入者と共にユーザーコミュニティを形作りたいと考えている方に、参考になれば幸いです。
この原稿は、「自社プロダクト・サービスを利用するユーザーコミュニティを支え、サポートする企業担当者」という目線からの記述となります。 あらかじめご了承ください。
]]> コミュニティデザインについて語る前に「コミュニティデザイン」というのは、自分の造語です。 コミュニティデザインについて語る前に、まず最初に、「コミュニティとは何か」について考える必要があります。
コミュニティとは一体なんでしょうか。gooが提供する「デジタル大辞泉」では以下のように説明されています。
居住地域を同じくし、利害をともにする共同社会。町村・都市・地方など、生産・自治・風俗・習慣などで深い結びつきをもつ共同体。地域社会。
説明のとおり、コミュニティという言葉は、地域とその利害関係に強く紐づくものでした。「コミュニティ」に関する書籍を探すと、地域社会を題材にした出版物が多く見つかります。
一方で「テーマコミュニティ」という言葉が存在します。これは特定の興味・課題・問題などを中心に形成されたコミュニティを指します。
ネット上には共通の興味・課題を中心に形作られる「テーマコミュニティ」が多数存在します。あちこちで毎日のように勉強会やミートアップが企画され、盛り上がりを見せていることは皆さんよくご存知でしょう。
インターネットの普及によって、地理的要因を飛び越えて、同じ興味・関心・利害を共有できる人同士が集まることは、とても容易になりました。インターネット、あるいはパソコン通信の時代から、ネット上では勉強会や共同プロジェクトをテーマとしたコミュニティが盛り上がりを見せてきました。
オンライン上には、実際に会うことはなくても、同じ興味・関心を持ち、共通の目的を持つ者同士、強い結びつきを持ったコミュニティがたくさん存在します。地理的な要因、そして時間を超えて繋がり合えるネットは、コミュニティととても相性が良いのです。
ネット上で無数に存在するコミュニティや勉強会を、デジタル大辞泉の説明に準じてあえて説明するならば、
「地理的な制約を超えて、同じ興味・関心・利害を共にし、情報の共有・問題の解決などを行う共同体」
と言うことができるでしょう。
上の段落では、「同じ興味・関心・利害をともにし、情報の共有・問題の解決などを行う共同体」がコミュニティである、としました。
それでは、興味・関心が同じ人達が集まれば、コミュニティは自然に盛り上がり、発展していくでしょうか。
みなさんも経験があるかと思いますが、同じ興味・関心を持つ人が集まると、飲み会も盛り上がるし、大変楽しい会話ができます。しかし、なにもしないと、一過性の「オフ会」で終わってしまい、いつの間にか互いの連絡も疎遠になることはよくあります。
つまり、単に「集まる」だけのコミュニティでは、一時的に盛り上がることはあっても、継続的に発展してくのは難しいものがあるのです。
同じ興味を持つ者同士が継続的に連絡を取り合い、必要に応じて意見や情報を交換できる状態を保ちつづけることによって、コミュニティの熱量は失われず、新たな価値や情報を生み出すことができます。コミュニティを継続するためには、互いのつながりを切らずに保ちつづけるためのプランを考え、実行することが必要となることでしょう。
自分は、コミュニティに活力を保ちつづけるためのプランを考えることを「コミュニティデザイン」と称しています。
コミュニティデザインとは、人と人とのつながりを一過性にせず、継続的に連絡が取り合える状態に保るための計画・設計図であると言い換えても良いでしょう。
立ち位置によっては「コミュニティマーケティングのマーケティングプラン」という言葉のほうがしっくり来る方もいるでしょうし、「コミュニティサポートの具体案」と言い換えることもできるでしょう。適宜読み替えて解釈ください。
以下、実際に自分が思考・行動してきたことを順序立ててまとめてみました。
コミュニティの「形」を考える
コミュニティデザインの実行
コミュニティデザインにおける注意点
明日以降は、上記の項目に従って記述していきます。
]]>DevRelとは「Developer Relations」の略です。この言葉自体、さまざまな領域や仕事をカバーしている言葉ですが、同義語で語られる言葉として「Eangelist」(エバンジェリスト)、という肩書があります。
この2つはどう違うのか、ちょっと考えてみました。
(以下、所属する企業や団体とは一切関係ない、個人的な見解となります。)
]]> DevRelとEvangelist の業務の共通点DevRel は「Developer Relations」、つまり、あるサービスやテクノロジーを使おうとするエンドユーザーに対して、コミュニケーション窓口を果たすことが役割である、と解釈しています。この点については、Evangelistもほぼ同様です。
サービスやテクノロジーを使う技術者、サービスの利用者は、常に新しい情報や技術をキャッチアップして、仕事に活かしています。そのときの業務に合わせて、情報を広く取り入れる必要がある人が多い。
ある特定のサービスについて深掘りし、情報を追っていくことは、時間との兼ね合いで難しいことが多くなります。
そんな技術者、利用者に対して、サービスやテクノロジーの深掘り情報・活用方法を伝えるのが、DevRelであり、Evangelistの役割です。
「より深掘りした情報を、広く伝える」という点では、どちらもそれほど変わらない、といえます。
では、DevRelとEvangelistの違いはなにか。
自分もまだ回答は見つけてないのですが
「開発的な立ち位置か、マーケティング的な立ち位置か」
になるのではないか、と考えています。
DevRelは文字通り、リレーション(関係性)をどうやって築くか、が重要な業務となります。
サービスやテクノロジーの活用方法、他サービスとの連携、サービスの新情報など、広めるべきサービスを起点として、関係性を築いていきます。時には技術サポートのような仕事も発生するでしょうし、QA的な動きも発生するかもしれません。マーケティングよりはエンジニア側、開発側により強く寄り添った仕事、というイメージがあります。
Evangelistの仕事は、より売上、そしてマーケティングで言う「リーチ」を達成するかに重きをおいている、と考えています。
「そのサービスを利用すると、利用者・開発者にどんなメリットがあるか」を中心に考える。それゆえ、「ある売上を達成するために、プロダクトやサービスをどのような業種・業態で使ってもらうのか」を意識した情報発信が必要となるでしょう。エンジニアリング的な知識はもちろん必要ながら、どちらかというとよりマーケティング、営業側に寄り添った仕事、というイメージがあります。
DevRelとEvangelist、どちらも非常に業務内容は近いですが、
* より開発側に近いのがDevRel
* よりマーケティング側に近いのがEvangelist
なのかなあ、というのが現在の感想です。
]]>Movable Type のAdvent Calendar ですが、今回はちょっと視点を変えて「コミュニティ」について考えてみたいと思います。コミュニティにもいろいろな種類がありますが、今回は、インターネットを媒介としたオンラインコミュニティの作り方、盛り上げ方について考えます。
]]> コミュニティの作り方、盛り上がり方にはいろいろな方法がありますが、成功しているコミュニティはおおむね以下の様なプロセスを繰り返して、盛り上がっていると感じています。最初の「見つける」は、仲間を「見つける」ことを指します。あるキーワードについて興味をもつ、関心をもつ。そのキーワードを元に、同じキーワードに関心をもつ仲間を見つけること。これが、すべての始まりとなります。インターネットでは、比較的自分の興味対象と、同じものに興味を持っている人を見つけやすいと思います。
次に「接する」。接し方にはいろいろな形があります。
一番軽い接触は「挨拶」でしょう。とくに話題がなくても、挨拶なら気軽に交わすことができます。人間関係の基本は、挨拶と言われるとおり、すべてのコミュニケーションの基本ですね。
次に、意見交換をする。お互いが何を考えているか、どのような思いを持っているかを伝え合います。コミュニティのキーワードに対して、思い入れが強い人は、その発信力も強いことでしょう。
一方で、オンラインコミュニティはお互い顔が見えないメディアなので、どうしても起こってしまう「言葉のすれ違い」という問題があります。このすれ違いに「対応する」のが、スムーズなコミュニティ運営にとって、とても重要な事です。
そして、「共有する」。共有にも、いろいろな形があります。
オンラインで発言しあうことは、視点を変えると 「お互いの情報を共有しあっている」 状態です。情報を共有することは、相互理解につながります。
さらに、実際に 「会ってみる」。あうことは、つまり 「お互いの存在場所を共有している」 状態です。場所を共有すると、互いの存在をより強く意識することができます。
情報を交わし合い、場所を共有すると、お互いの時間が重なっていきます。すなわち 「時間」 の共有です。時間を共有することで、コミュニティの結びつきはより強くなっていきます。
お互いの理解が進み、結びつきが深まると、次のステップ 「ともにつくる」 に進むことができます。 「つくるもの」 は、いろいろな形があります。勉強会かも知れません。飲み会の企画かもしれません。あるいは、大規模な創作活動かもしれません。いずれにせよ、「ともにつくる」 ことで、コミュニティという目に見えない人々の集合は、その 「形」 を表します。 「つくり、あらわす」 ことで、互いの絆はより深まります。
そして、コミュニティを 「広げる」。もし、何かを 「つくる」 行為が楽しく、有意義なものだったら、それを人に伝えたくなるのは自然なことです。自分の活動や仲間を人に伝え、さらに仲間を広げていく。仲間を広げることは、コミュニティの活性化において、欠かせない要素の一つです。
最後に 「続ける」。続けることは、実は一番大変です。一時的な情熱で何かを成し遂げることは、案外できるものですが、継続にはより多くの情熱やパワーが必要になります。逆に言うと、ある程度の期間において 「続ける」 ことができると、そのコミュニティはますます豊かに、広がりを持つことでしょう。
多かれ少なかれ、コミュニティは上記のプロセスを繰り返すことで、盛り上がり、より実りが多いものになるのだと考えています。逆に言うと、コミュニティの運営に悩んでいる場合、上記のプロセスをどのように実現するか、実際に当てはめていくと、解決策が見えてくるかもしれません。
今年(2014年)は、Movable Type のコミュニティが盛り上がり始め、花開き始めた年でした。来年以降も、このコミュニティの盛り上がりが続くことを願って、Advent Calendar の9日目の記事としたいと思います。
]]>NHKのEテレで毎晩放映している「クローズアップ現代」のなかの特集、「人を動かす"共感力"」という記事を紹介します。
]]>伊藤ハムの名物アカウント、「ハム係長」の紹介を皮切りに、各企業やグループのソーシャルメディアへの取り組みや考え方、関わり方を紹介しつつ、「共感」というキーワードについて解説している。
ソーシャルメディア上での「共感」については、よく聞くキーワードだけれど、じゃあ共感ってなんだ、共感力ってなんだ、と問うと、なかなか一言では説明しづらい。
個人的な解釈で言うと、「相手との共通点を見つけて、仲間意識を互いに持ち合うこと」だと思っているが、その「共感力」をどのように発露していくか、について追っている。
それにしても、「クローズアップ現代」のウェブサイトには恐れ入りました。過去放映の番組をきちんとウェブ上に保存して、アーカイブ化している。ページを見ると、番組の内容が手に取るように分かるし、番組データベースとしてよくできている。
非常に読み応え、検索し応えのあるウェブサイトです。
]]>私事だけれど、自分は西武ライオンズのファンで、ここ数年、西武ライオンズのファンクラブに入会している。西武ライオンズのファンクラブは、ダイレクトメールやメールマガジンが、なかなかよいタイミングで届いて、「あ、ひさびさに球場に応援に行こうかな」と思わせる事が多い。
AWS Tokyo 2014 の、オリックス・バファローズさんのセッションを聞いてから、西武ライオンズはどのようにファンクラブを運営しているのか、気になっていた。西武ライオンズのファンクラブ運営に関する記事を見つけたので、紹介したい。
]]> 西武ライオンズのマーケティング改革:なぜファンは西武ドームに何度も詰めかけるのか2007年に、観客動員数が12球団最低になってしまった西武ライオンズ。危機感を持った球団は、CRMの導入など、改革的な施策を行ったことで、2013年3月期に過去最高の営業利益を出したという。
ファンクラブ会員のチケット売り上げは、約3倍まで増加したそうだ。
ファンの「量」よりも「質」に重点を置いた、という施策は、「一度のキャンペーンで来場者数を1万人増やすのではなく、試合ごとに数百人ずつの積み重ね」を重視したものだという。
CRMの話はほんのわずかで、記事の内容は「どのようにファンの心を捉えていくか」という、実践的な話が多く、参考になる。
]]>このコミュニティの世話役をしてきたのが、白石俊平 さんという方です。白石さんは、何千名も参加するメーリングリストの世話役をつとめ、コミュニティを盛り上げてきました。
]]> その白石さんが、先日「6,000人のWeb技術者コミュニティを5年間やってみて学んだこと」と題したセッションを開催したそうで、その資料をシェアします。コミュニティリーダーの3つの役割として「のろしを上げる」「次なる目標を設定する」「場作り」として、説明しています。コミュニティを運営する人にとっては、とても参考になる資料だと思います。
]]>
その中で、オリックス野球クラブ株式会社、専務取締役事業本部長の湊通夫氏によるセッション 「オリックス・バファローズの挑戦! AWSを活用したファンビジネスのご紹介」 が、印象に残ったので、メモがてら記録しておく。
]]> セッション自体を一言でまとめると「オリックスのファンクラブ向けCRMシステムを、AWS上で構築して硬化が上がった」というものだった。自分にとっては、AWSの話もそれなりに興味深かったが、それ以上に、プロ野球球団のファン向けシステムがどのように構築されたのか、という部分が興味深かった。
オリックスは、12球団の中では、ファン向けのCRMの整備が最も遅れていたそうだ。2013年、ファンクラブ向けのシステム開発に本格的に乗り出し、CRMシステムを構築したとのこと。最後発ゆえに、他球団の良い所を積極的に盗んで、実装をしていったそうである。自分はプロ野球のファンクラブに2つ登録している。そこから比較しても、オリックスのファンクラブ運営施策は、他球団の良い所をよく研究している、と感じられた。ポイントシステムは西武ライオンズがやっている施策そのものだ。
個人的に特におもしろかったのは次のとおり:
などなど。
要点は「自分たちのファンはどのような人たちなのか」を可視化できるようにった、ということ。それによって、各種施策が根拠のあるものになった、という点。
オリックスの話を聞いていて、ハーレーダビッドソンの元社長、奥井俊史氏の著作を思い出した。オリックスが目指した「自分たちのファンはどのような人たちなのかを知りたい」という思いと、それを実現するために構築したCRMシステムは、奥井氏がハーレーダビッドソンジャパンで考えたこと、そして構築したCRMシステムそのものだ。
なぜハーレーだけが売れるのか (日経ビジネス人文庫 ブルー み 2-3)
自分を振りかえると、仕事上で「誰が自分たちのサービスのファンなのか、顧客なのか」という情報は、部分的には知っていても、網羅的には把握できていない。
言葉にするのはたやすいが、「自分たちの顧客がどのような人たちなのかを正確に把握する」ことの難しさを改めて思いだした。
以下、当日のスライドの抜粋。
当日の講演をまとめた記事があったのでリンクを貼っておく。エンジニアtypeの記事。
「観客動員、前年比120%。オリックス・バファローズのファン離れを解消したクラウド活用戦略~AWS Summit Tokyo 2014レポ」
]]>重要性に関する記述をよく見かける。ブログ回帰の理由は、いろいろな人がいろいろな考えを記述している。
それらの記事を読んでみると
「自分の考え、行動を発信する」
ことの重要性を再確認しはじめている、と言えそうだ。最近はブログというキーワードから、「より視聴者を意識した、自分たちの媒体」という意味で
というキーワードが多く使われているようだ。
]]> ブログ、オウンドメディアに関する考えをまとめたものこの記事を記述した前後の時間で、ブログの重要性、そしてオウンドメディアについて記述している記事をまとめておく。
トライバルメディアのイケダノリユキさんによる記事。ポジショニングマップもわかりやすい。
アジャイルメディア・ネットワークの徳力さんによる記事。少々釣り気味なタイトルだが、要点としては、継続が大事だ、ということ。
ブロガーとしても著名な著者の、ブログに関するひとりごと。
最近、自社サイトをメディア化して、どんどんファンを増やしているWebu制作会社・LIGさんの記事。LIGさんのブログ(オウンドメディア)は、昔のログイン・ファミ通のノリを思い出させて、読んでいて楽しい。
実際にどのようにメディア運営をしていくか、について記述した記事
オンラインメディア・GIZMODOの運営を通じて感じたこと、考えたことのまとめ
会社メディアの運営から感じたことのまとめ記事
僭越ながら、自分が作成した資料も加えておく。オウンドメディアとSNSの連携、活用方法の例をまとめている。
http://www.slideshare.net/tosanai/mtddc-meetup-kyushu2013mtusage
]]>全世界のSNSの利用状況を、インフォグラフィックで表したもの。
日本ではFacebook、Twitter、mixiが3大サービスとして紹介されており、まずまず納得の内容。
]]> ブラジルを見ると、以前はあれほど人気があったOrkutが表示されていない。MySpace、Friensterなども、すでにこの図からは消えている。たった4,5年で、SNSの勢力図は大きく書き換わっているのが分かる。中国では、「Weibo」の人気が高いのがわかる。中国のSNS事情は、やはり世界のトレンドと隔絶しているのがよく分かる。
ところで、この図を掲載しているウェブサイト「RIA NOVOSTI」は、ロシアの国営放送局。日本語にすると 「RIAノーボスチ」となる。
ウェブサイトはロシア語・・・ではなく、英語で書かれている。トップページのニュースが、欧米や日本と異なる切り口で選ばれているのが、とてもおもしろい。
]]>ネット上でしか交流がない人と、実際にオンラインで顔を合わせるのは不思議な感覚になることも多い。
普段からコミュニケーションをとっている場合、実際に会っても、いつもどおり話に花が咲くだろう。
では、普段あまり会ったことがない人同士が集まったら? どうやって雰囲気を和らげる?
そんな、交流を盛り上げるために有効な方法の一つとして、「ワールドカフェ」という方法がある。
]]> ワールドカフェは、アニータ・ブラウンとデイビッド・アイザックスという、2人によって開発された手法と言われている。
ワールドカフェのルールは、おおよそ以下のとおり。
特に、初対面の人同士が意見交換、交流をするときに効果を発揮するファシリテーションメソッドだ。
詳しくは、ワールドカフェについて書かれたサイト、または書籍を参照してみてください。
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の文中に、「SMX West」のレポートが掲載されている。
SEO MOZという企業のコミュニティマネージャー、ジェンさんへのインタビューが掲載されており、その内容が非常に興味深いので、一部引用してご紹介します。
]]> コミュニティマネージャーのジェンさんは、業務上、オンラインでクライアントや、同社に興味を持った人々とコミュニケーションを行なっているそう。以下の文章が、非常に刺さった部分。
コミュニティチームの目的はただ一つ。自社サイトやソーシャルアカウントに、興味を持ってきてくれている人たちに、「ハッピーになってもらうこと」だという。
そのために、彼女たちはコメントを返したり、質問に答えたりして全力を尽くす。
自社の運営するカフェに来てくれた人を気持ちよくオープンに迎えて、気持ちよく帰ってもらうスタッフのようなものだろうか。
「見込み客として、何か営業的なアプローチするのか」という私の問いに、
「それは特にしていない」とジェンは答えた。
「ただ、カスタマーリレーションチームとは密接にかかわっています。たとえば、新しくお客さんになったばかりの方は、ログインのしかたがわからなかったりすると、コールセンターではなくTwitterに連絡してきます。その場合は、私たちが返事できることは返すし、そうでない場合はカスタマーリレーションチームに渡します」
興味をもつ相手に「ハッピーになってもらう」のは、口で言うのは簡単でも、実際に行動に移すのはとても大変。サポートと営業を足して2で割るような業務内容になるため、誰でも出来る仕事ではないと思う。
WordPressで有名な企業、Automatticは、世界各地にその名も「Hapiness Engineer」という職種の担当者を雇っている。エバンジャライズと同時に、コミュニティマネジメントを担当しており、ジェンさんのインタビューで勝たれている「関わる人をハッピーにすること」と、ほぼ同じ役割と見て良いと思う。
コミュニティマネージング担当を専任で置かない企業は、どうしても兼務でコミュニティマネジメントを行うことになる。人と相対し、コミュニケーションをスムーズに行うためには、担当者の心に余裕が無いと難しいと思うので、兼務だとどうしてもスムーズにいかないことが多いと思う。
いろいろと考えさせる記事でした。
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