TOEIC800点、英検準一級は仕事に使えるか

釣り気味なタイトルですみません。

職場が変わってちょうど1年。今の会社はもともと外資系の会社だったせいか、仕事上英語を使う機会が多いです。

この1年、仕事で英語を使ってきた感想をまとめてみようと思います。

結論からいうと

  • 全体的に、コミュニケーションポイントがずれなければ、仕事に使える
    • メールなどの対応は、多少時間がかかる
    • 会議などは、相手が配慮してくれるかどうかで変わる
    • ニュースや技術資料は、自分の専門領域だと読める、聞ける
    • 細かい文法的なミスが時々出るのが課題
  • 仕事の知識があることが前提
    • 英語「だけ」の仕事をするには、全然足りない

です。以下、詳細。

自分の英語の状況

自分の現在の英語力はこんな感じです。

仕事の内容

やっていることは、こんな感じです。

  • メール対応
    • 仕事の打ち合わせ
    • 海外技術者のサポート、議論
    • エンドユーザーの質問対応
  • プロジェクト対応
    • 開発仕様作成
    • ビデオ会議(Skypeなど)
  • 英語資料などの解釈
    • 最新技術ニュース
    • フォーラムなどのモデレーション
    • 技術資料の読解

メール対応について

メールについては、「対応できるが、多少時間がかかるため、いかに正しく、しかも効率的に対応できるか」が日頃の課題です。

全体的には、なんとか対応できる

メールは、リアルタイムに反応を返す必要がないため、比較的なんとかなります。

受信メールは、わからない所があれば辞書を読みながら理解できます。返信するときも、辞書やGoogleなどで、文章を作りながら返信ができます。

やりとりが非同期ですむため、英語の仕事としては対応しやすい部類に入ります。

日本語の2−3倍ぐらい時間がかかる

業務上の複雑な交渉や対応をする場合、相応に時間がかかります。日本語でメールを書くときの2−3倍ぐらいは時間がかかる感じです。

抽象的な概念で議論するときや、「義務ではない依頼を、命令口調にならない程度に強めに言う」など、微妙なさじ加減が必要な場合、時間がいっそうかかります。

逆に、ちょっとした挨拶文や、近況報告の場合、ほとんど日本語メールを書くのとかわらない感覚で対応できます。

文法的な細々としたミスは、なかなか無くならない

単数と複数の使い分け、冠詞や前置詞(theとaや、inとonの使い分けなど)は、どうしてもミスが出てしまいます。このへんはいくら練習しても、なかなか日本語夜のようには使えません。それから、時制。英語の時制の使い分けは、ほんとうに難しい。

ちょっとした行き違いに注意が必要

英文メールに限ったことではありませんが、ちょっとした意見のすれ違いや、解釈の相違があると、日本語のやり取り以上に手戻りや余計な業務が発生するため、意味解釈は慎重になる必要があります。

プロジェクト対応

いわゆる、ソフト開発や技術者との打ち合わせ、仕様作成や議事録などドキュメントのとりまとめ、ウェブサイトの制作・更新など。

会議、ミーティングは、7割程度

海外技術者と、ときどきSkypeなどでビデオ会議をしてきましたが、大体意味は聞き取れ、こちらのいうことも理解してくれています。ただし、ちょっと複雑なことを言おうとすると、文法が怪しくなる。単数・複数型の間違いや、時制の間違いも、自覚できる程度によくやってしまいます。

会話のリズムを崩したくないため、そのまま話し続けるが、どうしても奇妙な英語になっている自覚があります。

例えば、相手の昔話を聞いて

「そんなことがあったのか。分かるよ、僕も昔同じミスをした」

と言いたいところ、

「ああ、そんなことがありますね!わかります、自分も同じミスします!」

ぐらいの英語になってしまうことはよくある。意味はおおよそ合っているけど、ニュアンスや時制が違ってしまっているというか。

7割ぐらいは聞き取れるのですが、早口でまくしたてられると、細かいところがわからず、よく聞き返して確認しています。

「あ、こいつ今の英語理解していないな」と思うらしく、相手がわざわざチャットで、文字にして伝えてくれることが何回かあった。いわゆる「筆談」状態がときどき。

細かいニュアンスを伝えようとすると、自分の英語は奇妙な英語になるらしく、「ごめん、どういう意味?」と聞き返されることもしばしば。

総じて、相手が配慮してくれると、会議は成立します。また、会議のアジェンダがはっきりしていると、比較的スムーズに会議が進められます。

資料作成はファクト中心ならなんとかいける

開発仕様書や、報告書を作るときは、あまり複雑な文章にせず、短文・箇条書きなら何とかいけます。例えば

  • データベースはMySQL5.1以上を対象にする
  • ウェブサーバーはApacheを利用

など、複雑な情報を交えず、ファクトベースで書いていくと、まあ何とかなる。 逆に、バグ情報やトラブル状況を正確に伝えようとすると、とたんに大変になる。

「WebサーバーAAのバージョンがxxの場合に限定されるが、現在aaaの作業をしていると仮定しよう。ユーザーがxxの画面からyyの画面に移動してzzコマンドを使うと、エラーとおぼしき現象が起こる。データベースの構造に問題がある可能性も捨て切れない」

とかなんとか、状況を書く必要がたびたびあります。これが結構大変。そのたびに英辞郎などのオンライン辞書のお世話になりながら、文章を作成しています。

英語資料などの解釈

英語の情報の解釈(オンラインの記事やビデオなど)は、専門領域かどうかで、が別れます。

自分の専門領域だと、思った以上に読んだり聞いたりできる

自分の専門領域に関する資料、ニュース、ビデオの場合、思った以上に読んだり、聞いたりできます。

例えば、ウェブサーバーで有名な「Apache」というソフトの場合、下記のような文章があります。

1つ目のリンクは、Apacheの概要について。2つ目は、Apacheの設定に関する文章です。

Apacheに馴染みがある人、あるいはCGIの設定を行ったことがある人は、「何を書いているか」が想定できる箇所が多く、各章の大意はつかめるのではないでしょうか。「ああ、これは、CGIのハンドラタイプについて書いているんだろうな」とかなんとか。

逆に、ウェブ技術に馴染みがないかた、IT業界やインターネット業界以外の人にとっては、少々読むのがしんどい文章ではないでしょうか(特に2つめの文章)。

自分の領域内の文章だと、実際の英語の実力以上に読んだり聞いたりすることができます。

ビデオやニュースもそうで、ある程度取り上げている内容に通じていると、TOEICの点数以上に聞くことができる気がします。

一般的なニュースは想像以上に読めない、聴き取れない

逆に、内容が想定できないニュースの場合、とたんに読み取り、聞きとり能力は下がります。例えば、英字新聞やCNNのビデオニュースの場合、読み取り・聞き取りは5-6割程度しか読めないし聞けません。内容の想定や先読みができないため、想像以上に聴き取れない。

仕事とは直接関係ないですが、ドラマもそうです。

短い会話に行間を読む必要のあるセリフが次々に出る場合、「あれ、今のセリフ何?なんて言ったの?」と思っているうちに、どんどんシーンが進んでいくため、かなり厳しい。映画やドラマを英語で聞くたびに「何言っているかわかんない・・・」と落ち込むことが多いです。

「仕事で使う英語」は、その仕事に関する知識がないと厳しい

こうしてみると、自分の場合、「自分の仕事に関する知識、経験」が前提にあって、なんとか英語が使えている、というのが率直な感想です。極めて当たり前の感想ですが、本当にそう。

逆に、もし、自分の専門外の仕事に就いたとしたら、自分の英語は全く使えないでしょう。

TOEICの800点や英検準一級は、「英語がなんとか使えるようになった入り口」程度でしかありません。このレベルで「『英語』そのものを武器にして仕事をしていける」かというと、少々厳しい。もし自分が今の業種以外の仕事をしたとして、英語が武器になるとは考えにくい。

まとめると、ある業務の専門知識や、経験がある場合、そこそこの英語力でも仕事の武器になる、ツールとして有用、と言うことはできるかもしれません。

語学にゴール地点は存在しない

以前にも書きましたが、自分が英語を苦手としていたとき

「TOEICで高得点をとったり、英検の上位級に合格するレベルになれば、さぞかし英語が分かるようになるのだろう」

と思っていました。

んが、実際に自分がTOEICや英検の資格をとってみると

「え、こんなもの?TOEICの800点って、こんなに英語が読めない・聞けないものなの?」

というのが、率直な感想です。

おそらく、TOEICが900点を超えても、あるいはおそらく満点になっても、

「え、こんなもの?こんなに点数が上がったのに、全然英語がわからない!」

と思っていることでしょう。やはり英語の資格は、全体の中での自分の相対位置を示すものでしかないのです。多分、語学勉強にゴールなんてないのだろうなあ、としみじみ実感します。

参考になれば幸いです

というわけで、この1年、仕事で英語を使った感想をまとめて見ました。

現時点で感じたことをまとめておいて、足りないと思われる部分をより伸ばすための反省としたいと思います。数年後、この文章を見た自分が

「ああ、この頃はこんな悩みを持っていたんだな」

と笑って振り返ることができるぐらい、英語力に進展があると良いな。

訪問者の皆様には、「そうそう、自分も昔こんな感じだったなあ」とか「ふむふむ、TOEICの800点や英検準一級はこんな感じなのか」など、何かの参考になるようでしたら幸いです。