SAがMotionを採用した理由、その他(WebSig24/7 MT4分科会第3回勉強会レポート その1・)

5/16、秋葉原で行われた「WebSig24/7 MT4分科会第3回勉強会」に参加してきました。


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今回のお題は「Movabel Type4.25の新機能(Motion、Action Streams等)を学ぶ」というものでした。

いろいろな「気づき」があったため、複数回に分けてブログを書きます。
それぞれのテーマは以下のとおり。

  • MTがMotionを実装した理由は。MTはCMS、ブログいずれを志向するか
  • Motionとは何か、どう活用できるのか、提案するとしたらどう行うか
  • MTが持つコミュニティパワーについて

の3つです。今回は「MTがMotionを実装した理由は、MTはCMS。ブログいずれを志向するか」について記述します。

■□Motionをリリースした意図

僕は、以前ブログに書いたとおり

  • MTがMotionを作ってソーシャル方面に切り込むのは、方針としてどうだろう
  • できれば「MTはCMSとしてエッジを立たせてほしい」と思う

という考えの持ち主です。前から、その辺の話を、シックスアパート(以下米法人はSA、日本法人はSAKK)の方にお聞きしたいと思っていました。

幸い今回は、SAKKの金子さんが参加したので、個人的に立ち話をさせてもらいました。金子さんは、SAKKの執行役員でもあり、同時に日本のアルファブロガーでもあります。ある意味日本のブロゴスフィアの重要人物といっても良いのでしょうね。

早速、ぶしつけに

▽1・MotionはFriendFeedなどとかぶる箇所が多いが、これはレッドオーシャン戦略そのものではないか。
▽2・なぜSAはMotionを実装したのか。
▽3・アメリカのSAと、日本のSAKKでは、営業方針が違うように見えるがどうなのか
などなどを聞いてみました。

以下、それに対する回答です。

▽1・MotionはFriendFeedなどとかぶる箇所が多いが、これはレッドオーシャン戦略そのものではないか

「SAの文化として、面白そうなこと、実験的なことも積極的に手がけて行きたいという側面がある。SAとしても様々な試みにトライしており、その一環としてのリリースである」
とのことでした。

▽2・なぜSAはMotionを実装したのか

それでは、そもそも何でMotionを実装することになったのでしょう。

「Motionはたぶんに実験的なところのあるモジュールといえる。
大きく分けて、2方向の理由がある。
一つ目は、米国のブログおよびその周辺のコミュニティの事情。
米国はブログがどんどんメディアとして成長しており、そのブログに特定のファンが集まり、積極的にコミュニティを形成している。
こういった、コミュニティ活動を促進するツールとしてMotionが生まれた経緯がある。
二つ目は、SAおよびSAKKの文化。
SAもSAKKも、個人として遊んでみて「面白い」と思ったものをサービスとして投入する背景がある。
Motionに代表されるRSSアグリゲートは、現在世界中に広がっている「面白いサービス」の傾向のひとつである。
Motionは「SAでこういったツールを実装するとしたらどうするか」のひとつの形である」

というもの。これはかなり納得でした。

僕はどうしても「CMS」としてのMTを強く捉えるため、あまりブログ的、ブログコミュニティ的な機能に目が行かないのですが、いわれてみればなるほど、コミュニティ形成ツールとしてはいろいろと用途があるような気がします。

▽3・アメリカのSAと、日本のSAKKでは、営業方針が違うように見えるがどうなのか

これも、以前ブログで書いたとおり、「CMS」としてマーケティング展開する日本のSAKKと、米国のSAは、営業方針に違いがあるように思えたのであります。

日本のSAKKは、MTを「CMSソリューションのパッケージ」としてマーケティング展開している。一方、アメリカのSAのウェブサイトは、「MT Enterprise」の記述はあるが、あまりCMSを前面に謳っていない。これはなぜだろう・・・という疑問です。

回答は
「アメリカでも、CMSとしてのMTは展開しているが、どちらかというとEnterprise版の方が中心である。一方、日本はMovable Type Professional(注:いわゆるMTの通常版)が中心のため、Enterpriseよりもプロフェッショナル版+プラグインで展開する傾向がある。

その辺の差異がウェブサイトに出ているのかもしれない。

また、USのMovable Typeのウェブサイトでは、CMS、ウェブサイト制作という側面も押し出していて、これに加えて「Social Publishing Platform」というキーワードも採用している。

ttp://www.movabletype.com/overview/

USでのEnterprise 系の利用では、メディア企業が多いのですが、そのなかでは、Community や Motion 系の機能を実際に使っているところも多い

http://www.movabletype.com/showcase/

とのことでした。CMSソリューションとしてのプラグインは、日本のコミュニテから生まれたものがより強力な気がするため、日本と米国で見せ方が違うのでしょう。それが僕が感じた印象につながっているのかもしれません。

■□ CMSとしてエッジを立たせるか、ブログとしての機能を追うか

他に「CMSとしてのMT」について、いくつか議論しました。

MTは元々「ブログ」を出自としているために、時系列ごとに増えるデータの整理、整形出力はめっぽう得意とします。

一方、いわゆる「ウェブサイト」の場合、時系列で増えるコンテンツはニュースリリースだったりIR情報だったり、特定箇所であることが多いです。

一般的に、ウェブサイトの「ウェブページ」は、単体のページとして存在することが多く、あまり時系列による増加がありません。

(詳細はこちらのページに説明しています)

この辺が、MTの「CMS」としての使いづらさにつながっている、というのが僕の意見です。

「ウェブサイトのページ」を整形、配置するのであれば、MT4では「ウェブページ」「フォルダ」を利用するのですが、MT4の各機能はそれほど発達していない。もしウェブCMSを志向するのであれば、modxのように、「ウェブページ」「フォルダ」を充実しさせたほうが良いのでは?

かつて、プラグインの「カスタムフィールド」を自社仕様に取り込んだように、ウェブCMSとして高機能なプラグインをMTに取り込んでいく予定はないのか?

などなどを話してみました。

この辺の会話は、次期仕様に絡むこともあり、また不確定なこともあり、文章にするレベルでもないのですが、MTが

「CMSとしてエッジを立たせるか、ブログとしての機能を追うか」

は、SAおよびSAKKの屋台骨にかかわる部分なので、おそらくそう簡単に結論は出ないことでしょう。

逆に、SA、SAKKの強力な開発陣営を考えると、一度方針と仕様が決まれば、あっという間に実装してリリースしそうな気もします。

僕は

  • MTは「ウェブCMS」を強く志向して、よりCMS的な機能を充実させてほしい
  • 個人ブロガーには、別ブランドを立ち上げるか、TypePadなどをブロガー向けのブランドとして展開して、コアシステムであるMTとは別にブランド展開を図ったほうが良いのではないか

と思いますが、いずれも外野の床屋談義レベルのものではあります。

SAとSAKKがどんな判断をするか、いろんな意味で目が離せません。