思わず英語を勉強したくなる5冊の本

全然しゃべれないし聞けないのですが、最近は英語が分からないとCMSやインターネットの最新の情報が入ってこない!と改めて気がつき、以前よりも英語の勉強に熱が入っています。

ところで、英語に関する本って、みなさんはどんな本を想像しますか?

英語を勉強していて思うのは、巷に流通する英語の本って「見事なぐらいノウハウ本しかない」ということです。例えば「TOEICで○○点とる!」とか、「今度こそ英会話ができるようになる!」など、極めて短絡的な目的達成本が中心です。

これはこれで、「TOEICで○○点とりたい!」というときは役に立つのですが、英語の面白さそのものについて記述されている・・・というわけではありません。

ここでは、僕が今まで読んだ英語に関する本の中で、思わず英語の勉強をしたくなってしまった本を5冊ほど挙げさせていただきます。いわゆる「TOEICで○○点とる方法」「英検○級必勝法」とは別次元のテキストです。

歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)
鳥飼 玖美子
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鳥飼玖美子先生は立教大学で教鞭をとられている、同時通訳の第一人者です。

この本は、1980年代の中曽根総理の「不沈空母」からはじまり、各種の政治的誤訳がいかに日米関係に影響を与えたか、ということを詳細に書いてくれています。

異文化同士のコミュニケーションの第一線に立つ先生だからこそ書ける、思いがけない誤訳の影響や異文化コミュニケーションの面白さを伝えてくれると共に、一言一言の重みを感じさせる名著であります。 ちなみに、オールアバウトでも鳥飼先生のインタビューが載っていますが、英語に興味のある方は一見して損はないと思います。

リサ・ステッグマイヤーの心に残る英語―音読して覚える英語の名文・名ゼリフ
Risa Stegmayer
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リサ・ステッグマイヤーさんはオスカープロモーション所属のモデル・タレントさんですが、そういった芸能人的要素を廃して、この本を読むべきであります。古今東西の文献から、味わい深い言葉、ウィットに富んだ言葉などを集めた英文集です。Amazonでの評価は賛否両論ですが、ぜひ一度ご覧ください。

American Pie―Slice of Life Essays on America and Japan
Kay Hetherly
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これはすべてが英語で書かれている本です。作者のケイ・ヘザリさんは、1990年代のNHKラジオ英会話のアシスタントを務めた方です。

すべて英語ですが、平文のやさしい英語で書かれていて、読みやすいです。このレベルの英語を読むと、結構意味がわかって「他の英語本も読んでみようかな・・・」という気になります。英文本の入門としてお薦め。

英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 (講談社パワー・イングリッシュ)
伊藤 サム
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JapanTimesの編集局長として活躍した伊藤サムさんの英語勉強論です。従来の英語学習とは意見を異にする「中学生レベルの英語をたくさん聞き、読むことこそ英語上達の近道である」という論は必見。目からうろこが落ちる提言が多いです。


ロンドン・デイズ
鴻上 尚史
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最後は、英文が掲載されていない本です。

作者は第三舞台の主催者として、日本有数の演出家として有名な演劇人です。30代後半まで専門的な英語の訓練は受けたことがない著者が、「英語をマスターして、世界に通用する演劇を作りたい・演出したい」という一念から、ラジオ英会話に始まり、体当たりでイギリスの演劇専門学校に挑戦していく記録です。

この本の中では、英文はほとんど掲載されていません。「役にたつとっさの英会話」「TOIECに役立つ○○法」的な文章はこれっぽっちも記載されていません。

それでもなお、この本は英語学習者にとって、とても参考になる本であることは間違いありません。なぜなら「英語が分からない演出家が、ネイティブの役者たち、脚本家たちなど、英語そのものを仕事とする人たちといかにコミュニケーションしていったか」を記している貴重な体験記だからです。

インターネットの世界に身を置いて、英語圏の人間たちと会話をしている人なら実感していただけると思いますが、ネットの世界ではきれいな英文よりもむしろ「いかに本質をつかんで相手とコミュニケーションができるか」が問われることが多々あるのです。極端な話、誤字だらけ、文法ミスだらけだろうと、本当に相手と理解しあえたか、のほうが大事なシーンが多々出てくるのです。

この本は、演劇というフィールドながら、本当にリアルな言葉で英語ネイティブたちとコミュニケーションを行ってきた記録で、それだけ英語学習者にとって根源的な「何か」を感じることのできる良書となっています。是非一度ご覧ください。

 

番外:遠山顕先生による2008年度版「ラジオ英会話」

NHKのラジオ講座、4月は意欲満々にはじめるけど、だいたい2,3ヶ月で終わりますよね。そうじゃないですか?

僕も何度も挫折しているのですが、今年は12月に入ってもまだなお続いております。なぜなら、純粋に講座内容が面白いから。

遠山先生の「ラジオ英会話」は、おそらく凡百の市販の英会話教材が全然かなわない、面白い講座であります。遠山先生は英語の学習を「語学」ではなく「話学」と読んでいますが、そのとおり、目からうろこの表現でいっぱい。ラジオの放送自体も、ここまでカジュアルでくだけた雰囲気で良いの?と思うぐらい、楽しい雰囲気のトークが続きます。