2010年4月22日 22:00

自分を自然に出していないと、相手は疲れる

最近読了した「語学で身を立てる」という本がとても面白かったのです。

語学で身を立てる (集英社新書)
語学で身を立てる (集英社新書) 

語学の本、という以上に、人生論としてもビジネス本としても、とても読み応えがありました。

例えば、「語学力があるのに仕事を失う人」という話題があるのですが、著者は具体例をいくつか挙げています。

・納期を守らない人

・手抜きをする人(訳抜けがあったり、原稿の処理が不親切だったりする)

・自分の実力に対して謙虚でない人

私は、せっかく素晴らしい実力を持ちながら、このようなことで仕事を失っていった人をたくさんみてきました。・・・

これは語学でなくても、どこの業界でも当てはまりそうで、胸に刺さります。

・・・というか「だめじゃん、俺」と思う自分が情けない・・・。

 

他にも、翻訳の世界をベースに、様々な仕事論、自己研鑽論が続くのですが、特に自分の心に刺さったフレーズがあったので、少々長いですが引用します。

・・・二十代で語学で身を立てたいと思っている人は、しばしば、組織の中で自分の人生が行き詰って、新しい世界を求めている人、それからフリーターなどを続けてきてモラトリアム人間で来たが、三十代を前に自分の真のライフワークを求め始めている人も多いのではないか感じています。・・・そういう人が、我々の世代に比べて増大してきており、迷っている人の年齢が高くなっています。三十代後半になってもまだ迷っているのです。

こういう人の多く(特に男性)が、自分に自信がもてないでいます。なにかあったときに自分一人ぐらいどうやってでも食べていける、ということに自信がもてないようなのです。自信がもてないと、かえって対人間関係の中で突っ張ってしまいます。突っ張りというのは、自分を自然に出していないということですから、相手は疲れるのです。疲れる人は他人に避けられます。すると避けられた人は友人を失っていき、孤立します。・・・

 

この文章を見て、思わず胸に刺さった自分は、多かれ少なかれ「突っ張っているのだろうなあ」と思いました。そういえば、大学時代はよく「肩に力が入っている」と、からかわれていた記憶が。

今は結婚もして、子供もできて、だいぶ力が抜けてきた気がするのですが、それでもここ一番で、つい力が入ってしまう自覚があります。

なんというか、まだまだ精進が足りないと思うのでありました。

 

ところで、この本を読んだきっかけは「プロの語学者って、どんな仕事をしているんだろう」と思ったのがきっかけです。

語学で身を立てる予定は全くないのですが、趣味で英語を勉強しているので、気になって読んだところ、語学書の枠を超えて面白く、ついつい読みふけってしまいました。

この本を読むと、語学のプロフェッショナルの凄みをまざまざと見せ付けられる気がします。

なんというか、よくインターネットで見かける

「日本の語学学習はだめだ」

とか

「語学をモノにするなら、日本にいては駄目。海外に行って生の英語に触れろ」

みたいな論調を、圧倒的な迫力で吹き飛ばすような、胆力にあふれた文章でありました。

(僕も昔は「英語を喋るなら海外に行かないと駄目かなあ」と思っていたのですが、今は「国内でも十分勉強できる」と考えを改めた口です)

この辺の面白さは、また機会が訪れたら読書メモとしてご紹介したいと思います。