CMS Watchのプロダクトレンジ分類が興味深い
CMSに関わる方の一部では、よく知られているネット媒体の一つに「CMS Watch」というのがあります。
7,8年前から、当時の商用CMSを中心に、下はオープンソースから上はエンタープライズ向けまで、CMSに関わる諸々の情報を発信してきたウェブサイトです。
最近、構成を大きくリニューアルしたのですが、コンテンツの一つとして「CMS Vendor Evaluations」というページを作り、リサーチレポートを販売しはじめました。日本語でいうと「CMS調査票」ぐらいの意味になります。
大規模なものから小規模なものまで、一通り名前が知られたCMSを取り上げているのですが、これを見ると、彼らが「どのプロダクトを」「どのぐらいの規模感を持つシステムとして見ているか」がわかって、結構面白いのです。
例を挙げると、こんな感じ。
Complex Enterprise Platform Vendors(複雑で非常に大規模なCMSベンダー)
- Autonomy:Interwoven Teamsite
- IBM: Lotus Web Content Management
- EMC|Documentum: Documentum Web Content Management
Upper-Range Platforms(大型のプラットフォーム)
- Alfresco ECM
- FatWire: Content Server
Mid-range Platforms(中規模クラスのプラットフォーム)
- TYPO3: TYPO3
- Plone: Plone
- Drupal
Mid-Range Products(中規模クラスの製品)
- Magnolia: Magnolia
- eZ Systems: eZ Publish
Simpler Products(シンプルな製品)
- Automattic: WordPress
- Joomla!
- DotNetNuke: DotNetNuke
・・・というわけで、非常に独特なレンジ分けをしています。
彼らの概念でいうと、joomlaは小規模、シンプルで、Drupalは中規模クラスなんですね。へー。
Interwovenは、買収されてるため、しっかり社名がAutonomyになってますね。
あと、中規模クラスのCMSを「Platform」と「Product」に分けているのも興味深い。Typo3はプラットフォームで、ezPublishは製品。この差はどこから来るのだろう。
日本ではそこそこ名前が知られている、NORENは入っておりません。NORENはもともと韓国製のCMSでもあり、アジア圏以外ではあまり知名度がないということでしょうか。
ウェブ制作会社の方々は、予算感的にも、ウェブサイトという性質からも、商用の大型CMSはあまり馴染みが無い方が多いと思います。これらは、世界中に支社があるような、大規模サイトのウェブ管理や、社内の大型イントラネット、あるいはドキュメント管理案件によく名前が出てくるプロダクトです。
僕は、商用CMSの開発会社にいた関係で、これらのCMSは、そこそこ見たり、触ったりしたことがあります。多少の「へー」はあるものの、まずまず納得のレンジわけです。
商用、オープンソース含め、各種CMSに馴染みが無い方には、なかなか面白い分類表なのではないでしょうか。
さて、このお話には続きがあります。
上記のような話を、Twitterでつぶやいていたら、どこから嗅ぎつけたのか、CMS Watchの編集者である、Adriaan Bloemからいきなり話しかけられました。
「うちのレポートに興味有るの?買わない?」だって。
・・・あのなー、突然英語で話しかけるなよー。びっくりするだろう。それもセールスかよ。
せっかくなので
「ちらっと見たけど、MovableTypeとMODxがないんだけど。なんで?」
と聞いたところ
「MTは、別なカテゴリに分類してる。MODxはまだ詳しく調べてないや」
とのこと。
MTは、wikiやブログをひとまとめにしている「Collaboration Vendor Evaluations」というところに分類されておりました。
で、こちらを見ると、MTと同時にWordPressも入っております。
さらに、CMS Watchの中に、MT5を指して、「too littele, too late?」なる、結構辛辣な記事を書いております。
http://www.cmswatch.com/Blog/1770-Movable-Type-5----too-little,-too-late
これらの結果を見ると、
- CMS Watchは、MTをブログソフトとしてみている。CMSとは思っていない。
- CMS WatchのMTに対する評価は低い。
- CMS Watchは、WordPressをブログとしてもCMSとしても認知しており、評価が高い
ということなのでしょう。
個人的には、CMS Watchの評価は、「お金がそこそこ廻っていそうなプロダクト」を中心に取り上げていて、レポーティングでビジネスしたい、という意図がはっきり見えるので、はたして客観的な内容なのかいな、という疑問は残ります。
ただ、CMSを全面に押し出して、曲がりなりにもウェブマガジンを7-8年以上続けてきた実績は輝かしいし、素晴らしい。現在のCMS普及に、なにがしかの貢献があったことは間違いないでしょう。
一度、彼らのevaluating reportを買って読めばいいんですけどね。誰か買ってくれないかなぁ。
彼らとは一度、気が済むまでCMSについて議論してみたいな、と思ったのでありました。
日本のCMS事情、みたいな形で記事を書いて、彼らに売り込んでみようかな。
コメント(3)
magicvox.net
>日本のCMS事情
面白いと思います。海外製だったMovableTypeが強いのは、今では日本だけ(悲)という状況はなかなか興味深いのではないでしょうか?
にっく
こんにちは。ご無沙汰しています。
先日はメールありがとうございました。
MTが日本で異常に強いというのは、
・当時のSAKKさんのマーケティングが巧みだった
(情報を積極的に日本語として流した)
・言語障壁
(WordPressの情報は基本英語中心だったので、なかなか届かなかった)
というのはあるでしょうね。WordPress以外でも、当時のCMS系のメーカーは、技術情報はあまり開示していなかったので、情報流量の違いは大きかったと思います。
MTのユーザーが減少して言った件については、karenさんという方の
「What’s happened to Movable Type ?」
という記事に、なかなか興味深い議論があります。
http://www.librarywebchic.net/wordpress/2009/10/15/whats-happened-to-movable-type/
この中で、MT4のプロダクトマネージャーだったByrneさんが、
「結局、コミュニティをどう育てるかが大事なんだ」
と書いていらっしゃいます。
Byrneさんは現在、SAから離れていますが、逆読みすると、
「SA時代は、コミュニティの育成ができなかった」
とも言えるわけで、この辺が世界的なMTユーザーの減少につながっているのは間違いないと思います。
この件については、僕もブログ記事を書いていますので、お時間あったら御覧下さい。
http://smallworld.west-tokyo.com/200911/movable-typegpl.html
powerflower
Hmm, Google Translate still isn't quite there with the Japanese translations... Unfortunately that means it's quite difficult for me to understand what exactly you're saying here :)
Apart from that, when I update our Movable Type review, I'd certainly like to hear your experiences with it. Especially since we try to maintain a global perspective.
And also, about the Japanese market more in general -- i.e., I had never heard of NOREN before! (Then again, I hear about new CMS every day -- there are literlly thousands of them...)
If you have the time, I'd love a short summary of your post above.
コメントする