2009年2月 4日 20:00

「営業」いろいろ

プロフィールにも書いていますが、僕は営業畑、マーケティング畑を長く歩いてきました。

気がつくと、ありとあらゆる種類の営業を経験することができました。

皆さんは営業って言う言葉にどんなイメージをお持ちですか?
やっぱり「お客さんに物を売る」というイメージでしょうか。

以下、僕が経験した職種を中心に、営業のいろいろをご紹介します。

■1・代理店営業、マーケティング営業

社会人になってから10年近くやってきたのが、この営業です。
メーカーとして物を作って、エンドユーザーへ届ける営業に当たります。

一般的に商流は

メーカー→代理店→販売店→エンドユーザー

という順番に届くので、メーカーはどの程度物を作って、在庫を持つか、完全に読みと勘の勝負になります。別の言葉でいうと「マーケティング勝負」とも言います。商品力や市場購買力、景気の動向なんかを分析して計算する必要があります。

損をしないように、あらかじめ怪我しないような少数で生産すると、いざヒットしたときの機会損失が大きくて、とんでもなく利益を逃がします。

逆に、「これぐらいはいけるだろう」と、どんぶり勘定で生産すると、とたんに過剰在庫に悩まされて、首が回らなくなります。

この仕事から学んだこと:

▽営業は情報勝負
▽時にはヤマを張って機会損失を防ぐ

 

■2・OEM営業

大手メーカーに「これ、御社ブランドでどう?」と言って、買ってもらう営業です。
マーケットにもよりますが、一気に数万、数十万×単価の売り上げが入りますが、条件交渉および品質基準も厳しいです。


一般的に、大口のロットで納品する代わりに、単価が市価よりがくんと落ちます。

OEM営業は、間違うと自社ブランドの付加価値が下がるので、メリット・デメリットの見極めが重要です。また、大手取引先は、自己都合で簡単に取引を終了させることができるため、売り上げが大きいからと言ってOEM営業に頼るのは死活に関わります。バランスが重要な要素となります。

この仕事から学んだこと:

▽大手と組むときは細心の注意を。そこに依存するようになっては抜け出すのが難しい
▽一つ間違うと自社ブランドを毀損するため、注意が必要

 

■3・新規開拓営業

縁もゆかりもないところへ飛び込んで、取引先になってもらう。いわゆる「飛び込み営業」もこの一つです。一般的に「営業」というと、このイメージが強い方も多いでしょう。


電話帳リストからじゅうたん爆撃で連絡するケース、相手の受付でキーマンまでたどるケース。セミナーを開いて、見込み客を手繰り寄せるケース。手法はいろいろです。

僕も営業デビュー当時は、秋葉原や新宿で飛び込み営業をして育ちました。なんども門前払いされたのを、今でも良く覚えてます。

非常にきつい代わりに、うまくいくと一生付き合える相手とめぐり合えます。
パワーポイントと絵に描いたようなビジネスシナリオで上手くいくケースは、案外少ないです。最終的には、信頼感とか、性格のよさ、信念といったものが決め手になるケースが多いです。

この仕事から学んだこと:

▽ものすごく頭と体力と精神力を要求される
▽手法が間違っていると延々と非生産的なことを繰り返す羽目になる。
▽勝負度胸はつきます

 

■4・ソリューション営業

システム提案、問題解決型。ウェブシステムやウェブデザインも、多くはここに当てはまるといって良いでしょう。


新しいキーワードやバズワードが比較的重宝される世界でもあります。
(例:ちょっと前の「AISAS」や「ブログマーケティング」、「Web2.0」など)

ただし、顧客の現場を知らないと、まるで箸にも棒にもかからない提案になることが良くあります。


(例:社内文書管理システムを提案しているのに、自分自身が社内文書と言うものが何か、よく分かっていないなど。社内組織の構造や仕組みが分からずに、システム提案は基本的にできません)

見積も重要で、コンペに勝とうと思うと足が出るし、実費で出すと予算オーバー、ということも良くあります。個人的な経験則で言うと、自分の「形」を作っておいて、できるだけそこにはめるように仕事ができるようになると、手数が減って楽になります。

目新しい提案力より、お客さんの話を良く聞ける「ヒアリング能力」の方が大事な気がします。

この仕事から学んだこと:

▽目新しいコンセプトも良いが、ヒアリング力の方が重要
▽自分の形を作って、そこに持ち込むのが勝負のカギ

 

■5・アカウント営業

いわゆる大手代理店の営業に見られる「一人が一社の担当をして、あらゆる要望にワンストップで応える」的な営業。本当にあらゆる依頼が来るため、広い人脈と外注先がないとやっていけません。社内営業もできないと致命的です。


相手企業の担当者から始まって、組織図・キーマン・決裁者・パワーバランスなどを頭に叩き込む必要があります。時には相手先の部長のかばんを持って後ろをついていかなければいけないし、決裁者が「太陽は西から昇る」と言ったら「当然です、西から上ります!」と言わないといけない。

八方隙を作らず、気を使うのがキーとなります。今までの営業の中で、精神的に一番きつかったのがこの営業です。絶対に向いていないと思いました。

(ただ、結果的には何故かこの営業で社長賞を数回もらい、一番評価された営業タイプでもありました)

この仕事から学んだこと:

▽360度に気を使い、目くばせをする細やかさが必要
▽スパイのように相手先の情報収集をしないと生き残れない
▽「力は正義」が重要な価値観になる

 

営業=物売り、ではない

僕が社会人になって、初めて仕えた上司に、こんなことを言われた記憶があります。

「営業=物売り、じゃないぞ。

物が売れる前にはそのための仕組みを作らなければいけないし、いろんな人たちに協力してもらわなければいけない。情報を全て集めて、判断しなければいけない。その結果として、お客さんは対価を払ってくれるんだ」

みたいなことでした。

厳しい上司でしたが、今にしてみると、その頃のアドバイスのおかげで、様々なトラブルの中でも生き残ることができた気がします。

これって、きっと営業だけではないですよね。経営、開発、販促、総務・・・仕事の根っこは、どんな職種でも変わらないのではないかと思います。