「WEB担向け勉強会: デザイン依頼の方法論」の極私的感想
1月24日の日曜日、東京の渋谷で、極めて少人数を対象にした
「WEB担向け勉強会: デザイン依頼の方法論」
が行われました。
これは@rk611こと、ウェブディレクター・片山さんによる極私的勉強会です。
勉強会のコンセプトを片山さんのブログから引用します。
クリエイティブにおけるデザイナーとのコミュニケーション方法というはWEBに限った話ではないのですが、WEBだとアートディレクターをいれる予算が無いとか、役割分担がまだあまり体系化されてないということもあるため、WEB担当者むけに軸を絞って、どうしたらうまくデザインを依頼できるかについて話し合ってみようと思います。
・・・というわけで、
「ウェブディレクション過程における、デザイン作成のコミュニケーション手法」
といった大きなコンセプトを元に進められました。
参加者は@toda_chan @ayaxx @_takeshi @ID_not_Found @fujii_yuji @yan2you @d4r @zenich @ayaxx @15nao @rk611、それに僕。
ウェブディレクター、発注者としてのウェブ担当者、デザイナー、開発者、などなど、非常にバランスの良い人選で、多方面からの議論を行いました。
当日の発表資料は、以下になります。
資料には書いていませんが、当日は片山さんが手がけた実案件をベースにしたディスカッションとなりました。
非常に規模の大きいもので、ぼくは以前、まさにライバル会社陣営にいたこともあったため、臨場感を持って見ることができました。
以下、つらつらと当日を振り返りながら私的感想を記述します。
■ 大は小をかねる。俯瞰的な経験はすべてに応用が利く
片山さんが手がけた案件例は、ウェブ制作の現場を元に考えると、かなり大規模な「メガサイト」といってよいものでした。
つまり、関係者が多岐にわたり、意見調整が大変な案件でありました。
多人数の人間を納得させる
「デザインコンセプト、メッセージコンセプト、そして理論的な情報デザイン」
を実装するのは非常に困難な作業です。
特にデザインは、ただでさえ抽象的になりがちで、個人別の感性の差、感覚基準の差が大きい最たるものといえます。
この「関係者の意見をまとめて、プロジェクトを先に進める」ための方法論をまとめたものが、今回の資料とも言えます。非常に完成度が高く、すぐに実案件に使えそうであり、このまま書籍になりそうでもあります。
「ウェブサイト」がベースになっていますが、ある意味コンサルティングやプロジェクトマネジメントのフレームワークの一形態ともいえるでしょう。
僕はここまでの規模感の案件を手がけたことはないですが、まさに同様の手順を踏んでプロジェクトを進めたことがあります。
ひとつのプロジェクト資料を通すために、何十人、何百人以上の同意と了解が必要になるものでした。プロジェクトの真っ最中、クライアントの担当者がこんな言葉を語ってくれました。
「我々の会社では、プロジェクトに承認を得る際に、資料がどんどん関係者に回覧される。つまり、直接の担当者がダイレクトに説明できず、資料だけが関係者の間をぐるぐる回ることがよくある。
そんなときに、人によって異なる印象、異なる理解があっては、絶対にプロジェクトはうまくいかない。誰もがあいまいさを感じず、納得でき、誤解のない内容でないとプロジェクトは前に進まないのだ」
この言葉は、プロジェクトが大きくなればなるほど、身につまされて感じる言葉です。
逆に言うと
「いかにプロジェクトを俯瞰してみて、細部にいたるまで神経を行き届かせるか」
が大事になります。
そして、大きなプロジェクトで培われた方法論、フレームワークは、そのまま規模を小さくしても活用可能です。
(プロジェクトを進める手順、方法論を、予算と規模に合わせて短縮する)
まさに「大は小をかねる」典型といえるでしょう。
■ 細かい分析が必須
今回の勉強会では、プロジェクトを進める際にどこまで細部を詰めていくか、という事柄が大きなテーマのひとつとしてあげられました。
コンサルティング業界やロジカルシンキングの世界では「MECE」という概念が良く使われます。「漏れなく、重複なく」業務要素を分解していくことで、プロジェクトを円滑に進めるための概念のひとつです。
システムの世界ではWBS(ワークブレイクダウンストラクチャ)を作るときなど、まさにMECEの概念を利用して構築業務を手順化していきます。
制作の世界もそうで、大きいプロジェクトになればなるほど、どこまで細部に至るまで業務を分解しきれるか、が大きな鍵のひとつとなることを再確認しました。
■ 制作系の勉強会やフレームワークはまだ数多くない
ネットの世界では、プログラムのコードやモジュールは、様々な資産がネット上に集積されています。Perlの世界ではCPAN、あるいはCatalystやMovable Typeのようなフレームワークもそのひとつですし、phpの世界でもPEARや「サンプルコード」のようなモジュールは数多く存在します。
一方、営業・制作的なノウハウやフレームワークはまだまだ少なく、勉強会も限られています。
IT業界の人はご存知かと思いますが、Googleカレンダーには、各方面の技術勉強会情報を集積した「IT勉強会カレンダー」というものが存在します。各種のイベントをとりまとめるリクルートのオンラインサービス「ATND」というものもあります。
ところが、これらを見ても、目立つのは主に技術系の勉強会、交流会が中心で、制作、プロジェクト管理系のイベントや勉強会はあまり見かけません。
比較的この手の催し物が多い東京でも、すぐに名前が挙がるのは「CSS Nite」か「WebSig24/7」他、数える程度であります。
開発系と制作系の違いはあるにしても、ウェブ業界、ネット業界はまだ「プロジェクト管理」「制作」のノウハウの共有場所が少ない状況といえるでしょう。
そんな中で、今回の勉強会は非常に価値のある、有意義なものだった、と改めて思いました。
改めて片山さんにはお礼申し上げます。またお会いして、いろいろと情報交換や議論をしましょう!
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